
こんにちは。今週はブログ担当が私の番ということで、先日観た映画「国宝」についてご紹介します。
6月8日(日)特に予定もなかったので、友人を誘いコレド室町のTOHOシネマズに足を運ぶことに。待ち合わせではちょっとバタバタしてしまいましたが、映画の前に軽く食事を済ませ、いざ映画館へ。
今回観たのは、話題の映画「国宝」(6日封切り)。上映はスクリーン7で、一番大きなホール。私たちが入場した時点で客席は6割ほど埋まっており、上映開始直前にはポップコーン片手に次々とお客さんが入ってきて、ほぼ満席状態の混雑ぶり!後で知ったのですが話題の注目作品だったとか!
3時間の大作、でもトイレを忘れるほどの没入感
正直に言えば、3時間という長さに一番の不安は「トイレ」。途中で抜ける羽目になるのでは…と心配していましたが、そんな不安はどこへやら。物語が始まった瞬間から、一気に映画の世界に引き込まれてしまい、気付けばエンドロール。無事、最後まで席を立つことなく見届けることができました。
普段は映画館でのポップコーンを食べる音や、咳払い、席の出入りなどが気になるタイプなのですが、この日は本当に静かで集中できました。もちろん、最初の数分は少しざわつきがあったものの、物語が進むにつれて館内はどんどん静まり返り、観客みんながスクリーンに釘付けになっていたように思います。
ここからは少しネタバレを含みます
「国宝」は、長崎の任侠の一門に生まれ、抗争で父親を失った立花喜久雄(演:吉沢亮)が、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(演:渡辺謙)に引き取られ、女形として芸の道にその一生を捧げる壮大な物語です。
喜久雄のライバルとなる歌舞伎名門の御曹司・大垣俊介(演:横浜流星)との関係も見どころの一つ。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人が、ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていく姿が描かれています。
また、喜久雄の幼馴染で恋人である福田春江(演:高畑充希)との関係も胸に刺さります。春江は、喜久雄を追って上阪し、ミナミのスナックで働きながら彼を支え続けます。
ラストシーンでは、喜久雄が完成させた舞台での演技が観客を圧倒し、まさに“国宝”と称されるにふさわしい存在となる瞬間が描かれています。
映画の余韻が冷めやらず…原作小説も購入!
映画の余韻があまりにも強烈で、後日電子書籍hontoで原作小説『国宝』(吉田修一 著)を上 青春篇、下 花道編 2巻を購入しました。
正直、最初は「映画でストーリーを知ってしまったし…」と少し迷ったのですが、読み始めてすぐにその不安は消え去りました。小説は映画とはまた違った深さがあり、登場人物の心理描写や時代背景、そして美術に対する情熱が、文字だからこそ伝わる形で丁寧に描かれています。
映画では尺の関係でどうしても描ききれなかった細かなエピソードや、登場人物たちの心の揺れ動きが、原作ではしっかり掘り下げられており、まったく別の作品として楽しめました。特に喜久夫と千佳子の関係については、小説のほうがより濃密で切ない…。原作もぜひおすすめです。
